2015年12月31日

2015 秋


ノールックでバックをかました。
深夜、低速ノールクックでバックをかました。
十数分前まで広がっていた星空が嘘のように
ぽつり、ぽつりと落ちてくる雨空を車内から見上げている。
助手席側の前輪は浮いている。
運転席側に傾いている車から運転席のドアを開けようとした。
ちょっとだけ開いた。
運転席側の後輪が土手の側溝に落ちた。
重みのある『ヤバイ』を発した。
とにかく外に出ようと
今まで感じたことのない
重みを増した助手席のドアを開けて外に出た。
ひんやりとした空気に秋の終わりを感じ、身震いしたが
それ以上に
今おかれている自分の状況に震えが止まらなくなった。
 
一人は好きだ。
特に深夜、孤独を感じながらの緊張-不安感の中での撮影は好きだ。
でもそれは、あくまで孤独感で
ほんとうの意味での孤独とは違うということを
恥ずかしながら
分かっているつもりで
分かっていなかった。

低速ノールックバック事故の経験と
深夜、低速ノールックバック事故の話をした時の
友人との会話で気付けた2015。

今の自分には小さいようで大きなことに気付けた年になりました。
今となっては
低速ノールックバック事故も
笑い話として話せる友達がいることが凄く幸せです。


結局
助手席から外に出てからは
止まらない震えの中
まずどこに連絡するべきか迷って
『ポリスかー』と
なぜか全く話せない英語チョイスのひとり言
結構、派手なテンパりを発揮。

深夜、県外、止まらない震え、夜空を見上げている愛車
相当な不信感を抱いて接してくるポリス。

わたしは震える体でポリスにこう言いました。
『月明りで写真を撮るのが好きなんです』と。
すると
ポリスが頭に大きな『?』を描きながらわたしにこう言いました。
『雨なんで話は車内で』と。